数ヶ月前になりますが、ある方からのお誘いでパーソナルカラー診断のテストモデルをしました。
パーソナルカラーリスト養成講座のカリキュラムで、カラードレープを使用した診断実習のテストモデルです。
当日教室へ行くと、講師1人と7〜8人の受講生がいました。
私がイメージコンサルタントであることはもちろん、自分のシーズンカラーを認識していることは皆さん知りません。
受講生の1名が私を診断し、講師はその様子(診断手順など)をチェック。
講師が「ベースカラーは何だと思うか?」と尋ねると、受講生は(言った内容は忘れましたが)「イエローベース」と診断。それに対して講師が「はい、正解です」と言い、嫌な予感が的中!
私の金髪のヘアカラーに明らかに戸惑った挙句、根本の地毛の色を「ソフトな黒」と判断したからです。
イエローベースの「春」と「秋」のカラードレープを当て、最終的に「色白の肌」「髪色はソフトな黒」「しっかりした肌」「深く濃い色が似合う」との理由で「秋」と診断。講師も「秋」が正解だと言いました。
診断後、講師に私のシーズンカラーを伝えると、ダークブラウンと黒のドレープを持ってきて「ダークブラウンの方が似合う!」と言われ、その後も私に似合わない色をひたすた薦められ、なんとも言えない不愉快な気分になりました。
この話を受けた時に「ベテランの講師がその場にいるから誤診はないはず」と言われましたが、数日後にスクールの代表から「あなたは秋ではなく冬!」と言われ、やはり誤診であることが判明したのです。
私のパーソナルカラーは「冬」。
ブルーベースの肌色で似合う色の特徴も全く違います。
ではなぜこんなことが起きたのか?
あくまで現場に居合わせて感じた個人的見解ですが、誤診の原因として考えられるのは、
・私の金髪に完全に惑わされた
・苦手意識からくる先入観が診断の邪魔をした
この2つではないかと思います。
私はホワイトブリーチをしたヘアカラーをしていますが、地毛は艶のある青みがかった黒髪。
根本の黒髪を数センチ伸びたまま、顔もノーメイクで、正確な診断をするのに最適な状態でした。
特に髪色は位置的に顔周りにあるので、良くも悪くも顔色に大きく影響します。
根本の青みがかった黒髪を見抜けなかったのは、金髪に惑わされ、その影響でボディカラー(肌や目の色)の判断が狂ってしまった。
また診断の際に「色白の人の診断が苦手」という話をしていたので、その苦手意識が先入観を生んで正確な判断が出来なくなったんだと思います。
私がイメージコンサルタントのアカデミーでまず最初に言われたのが、「先入観や固定概念を捨てること」。
パーソナルカラーの講習でも「イメージで決めない」と習いました。
ただいくら理屈(理論上)では分かっていても、実際の人のボディカラーでは全然違うように見えたり、1つのシーズンカラーの要素だけでなく、別のシーズンカラーの要素を持ち合わせてる人もいる。
黄みのあるベージュの肌色、青みのある色白肌、赤みの少ないアイボリーの肌色というのが、人肌ではどんな色なのかを本当に理解するには、診断実績を積んでいくしかありません。
お客様が黒髪でも、白髪でも、カラーリングをされた方でも、イメージやヘアカラーに惑わされずに必ず結果を出さなけれならない。
先入観や固定概念を捨てることって、なかなか大変です。
偏見を捨てないとフラットな視点で人やモノを見ることはできないので、職業上非常に重要なことだと理解しています。
とはいっても、今回私を診断したのは勉強中の受講生。
プロではなので、誤診があっても許容範囲内です。
講師が誤診した原因は不明ですが、後日スクールの代表が講師と話をしてご本人も納得されたとのこと。
これに関しては、
・経験を重ねるにつれて独自の視点が加わり、無意識のうちに本来の理論から逸脱した見方になってしまった
・「自分の目に狂いはない!」という過信
のような気がします。
それに誤診は信用問題にも直結します。
特に実績を積んだカラーリストほど注意が必要で、車の運転と同様、慣れてくると初心(ここでは“本来の理論”)を忘れ、「間違えるはずがない!」という過信からプライドばかりが強くなる。
そうならないためにも、私を含め、診断の精度を定期的にチェックを機会を設ける必要があると思います。
ネットやSNSで「診断してもらったけど、しっくりしなくて別のサロンで診断してもらったら全然違っていた!」という書き込みを見かけることがあります。
私にパーソナルカラーの知識とシーズンカラーの認識があったので誤診だと分かりましたが、まさか自分がネットの書き込みのような経験をするとは全く思ってもみませんでした。
プロ診断で普段選ばないような色を薦められても最終的にご自身が納得できれば良いのですが、もし納得できない(しっくりこない)場合は注意が必要です。