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<ファッションデザイナー>ジョン・ガリアーノ

先日YouTubeでパリコレの動画を見ていたら、「300点所有するジョン・ガリアーノ収集家の、宝物で溢れるクローゼット。」という動画を見つけました。

 

 

コレクターは、アナザーマガジンのファッションフィーチャーディレクターを務めるアレクサンダー・フューリー氏。

母親が持っていた雑誌で黒を白のロングドレスにコートを着たカーラ・ブルーニの写真を見て以来、ガリアーノ作品に魅了されたんだとか。

主に所有する婦人服以外にも、アクセサリーなどの小物からショーの招待状までアーカイブしていて、それぞれのアイテムを手に入れるまでのストーリー(思い出)や、自分の手から出る酸で作品を傷めないように学芸員用の綿の白手袋を着用するというリスペクトにあふれる徹底した心構え、コレクションは自分が着るためではなく「執着」と話す姿に潔さを感じました。

ガリアーノがディオールのデザイナーとして活躍し始めたころ私は10代でしたが、その独創的なセンスから生み出されるクリエーションとおとぎ話のような世界観を体現した豪華なショーはとにかく刺激的で、その感覚は今でも鮮明に覚えています。

舞台セット、ヘアメイク、音楽の全てが完全一体化したショーは、私にとっても間違いなく衝撃を受けたデザイナーの1人です。

ガリアーノ時代のディオールでもっとも注目すべき点の一つは、デザイナーの独自性あふれるヴィジョンを体現した豪華なショーだ。大切なのは服だけではない。マイケル・ハウエルがデザインした舞台セットやパット・マクグラスによるエクストリームなメイク、オーランド・ピタによるヘア、スティーブン・ジョーンズのヘッドピース、ジェレミー・ヒーリーによる音楽が一体となって、ショーという装置に命が吹き込まれるのだ。

ディオール=ジョン・ガリアーノというくらい、多くのデザイナーと同様、私もディオール時代のガリアーノ作品は全て「傑作」だと思っていますが、特に印象的だったのは2007年春夏のオートクチュール。

デザイナー就任10年、メゾン設立60周年という節目の年を迎えた年で、前年秋に訪れた「日本」をテーマにして発表されたコレクションは、ガリアーノによる解釈と独自の視点から具現化されたジャポニズム!

私が日本人だから、余計心に刺さったのかもしれません。

ガリアーノはコレクションの創作にあたり、リサーチで様々な国に訪れ、その国の伝統や文化をインスピレーションソースにするそうで、舞妓や芸妓、折り紙、歌舞伎といった日本の伝統的な文化や要素から得たインスピレーションを融合し、着物や帯、芸者メイクはディオール風にアレンジされた、西洋から見た日本が表現されています。

 

折紙スタイルのプリーツドレス

 

プッチーニのオペラ【蝶々夫人】からインスピレーションを得た着物風ドレス

 

葛飾北斎「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」モチーフのリネンドレス

 

芸者風ヘアメイク&着物風ドレス

 

極端なヘアメイク&ヘッドピース

 

水引風のヘッドピース

 

提灯の髪飾り

 

これも好き!

 

またコレクション以外でも有名なのが、新聞紙がプリントされたスリップドレス。

 

「SEX & THE CITY 2」でサラ・ジェシカ・パーカーが着用したことで有名です。

こうしてみると、昨年からブームの「Y2Kファッション」に代表されるポジティブでパワフルなスタイリングや、デザインやカラーが派手なアイテムが流行った2000年代初頭と、ストリートの活気やポップカルチャーなどのモダニティに洗練されたクチュールの要素をミックスした大胆かつアヴァンギャルドでエネルギッシュなディオール時代のガリアーノは完全にシンクロしていて、時代の潮流とガリアーノのインスピレーションが絶妙にマッチして生み出されたクリエイティビティなんだと改めて実感します。

2011年に反ユダヤ発言によってディオールを解雇され、自身のブランド「JOHN GALLIANO」からも退きますが、2014年からメゾン・マルジェラのクリエティブ・ディレクターに就任。見事、第一線へと復帰を果たしました。

革新的なブランド刷新を行なったディオール時代の豪華絢爛な世界観から一変。マルジェラのブランドコンセプト「反モード」を継承しつつ、シンプルながら一癖あるガリアーノらしいデザインがメゾン・マルジェラの新たな魅力となっています。

そして2021年秋冬、進化するジェンダーレスなワードローブ、時代を超越した普遍のスタイル、フォーマルウェアを再定義した新ライン「アイコンズ」をローンチ。(※写真は2022年秋冬)

シーズンやジェンダーにとらわれない新たな価値観を反映した「アイコンズ」は、継続性、ジェンダーレス、ロンジェビティ、オーセンティシティを実体化したライン。

全ての人にフィットするシルエットで、着る人独自のアイデンティティを最大限に引き出すジェンダーレスのワードローブは、ブランドならではの普遍的なスタイルに職人の技術と新たな価値観が反映されたコレクションです。

また、今人気のフロントにロゴ入りのラベルが配された「5AC」や特徴的なキルテッドデザインの「グラム スラム」は、ガリアーノによって考案されたアイテム。

それらが「足袋シューズ」「ジャーマントレーナー」に並ぶブランドのアイコンになったのも、ディオール時代に続く新たな功績であることに間違いないでしょう。

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